ヤキニクトピッツァ

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おさげと丁寧に冒険するアクションアドベンチャー「QV(キュビ)」レビュー

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突如として現れた初報の動画でおさげがかわいいということしか伝わらないゲーム「QV(キュビ)」、EASY以外の難易度ですべての妖精を集めてクリアしたのでレビューしまっせ。若干調整不足に感じる部分はありましたが、個人的にはなかなか楽しめた良作でした。

 

 

概要

youtu.be

かわいいおさげの女の子が出てくるということしかわからないティザームービー。

 

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発売直前に公開されたPV。おおよその雰囲気は掴めるかと。 

BGMも素敵。

 

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価格: 1,650円(税込)

メーカー: シーエフケー

ジャンル: アクション, アドベンチャー

ハード: Nintendo Switch

 

いろんな次元がパイプのようにつながっている宇宙。
その通路の中心には、次元のバランスを維持している「次元の核」がある。

ある日、突然「次元の核」が動きを止め、
次元のバランスが失われて、宇宙が崩壊の危機に陥る。

「次元の核」がある「ゲート」にアクセスできる
選ばれし者たちの最後の継承者「キュビ」。

彼女は次元のバランスを取り戻すため、「ゲート」に向かう扉を開ける。
そして、宇宙を崩壊させないために「次元の核」を再起動する方法を探して
しゃべるペンギン「バロン」と共に、長く忘れられた先祖の遺跡へ冒険に出る!

 

主人公キュビは次元の核を再起動させるために様々な遺跡を攻略していきます。最初はキュビ一人で攻略しますが、途中のエリアからは仲間と操作を入れ替えながら協力して進んでいくことになります。

全6エリア43ステージ×4難易度で、エリアごとにロケーションががらっと変わりギミックも少しずつ増えていきます。

ジャンル表記はアクションアドベンチャーですが、考えなしに突っ込むと簡単に詰むようなパズル要素もたくさん登場します。

 

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シリアスめなストーリーですが、キュビがかなり楽観的な性格ということもあり作風はいたって明るいので、気楽に楽しめます。

システム

Lスティックで移動、Aで押す・アイテムを取得する・アイテムを使用する・箱を押す・ポータルを開く・ポータルに入るといったアクション、Bでポータルを消す・壁に穴を開けるといった特殊なアクション、Rでダッシュ、Lで視点移動、L+R長押しでリトライポイントからやり直しと、少ないボタン操作で様々なアクションが行えます。これらのアクションを組み合わせて様々な仕掛けを解いたり敵に見つからないようにしてゴールを目指してきます。

あとは説明されない要素としてYボタンでジャンプができますが、ジャンプモーションを取るだけで接地判定となっているようで、障害物を飛び越えたりすることはできません。本当にジャンプのモーションを取るだけ。かわいい。おさげもかわいく揺れます。 

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アクションの種類は比較的多いですが、戸惑うことはないと思われます。

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一部の壁にはポータルを作ることができ、別の壁にもポータルを作ることでその二点間を自由に行き来することができるようになります。

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キュビに限り、ポータル間の移動でランダムで転んだりします。たすかる。

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ゲームを進めるうえで一切意味をなさないジャンプ。でも、かわいいのでオッケーです!

すきポイント 

さまざまなロケーションとギミック

全6エリアで、エリアごとに草原、砂漠などなどロケーションが大きく変化します。目に見える変化がこまめに入るのは嬉しい。

ギミックもブロックを運んでスイッチに乗せたり、インクを使って水辺を歩けるようにしたり、動く床を渡り歩いたりと様々。ステージを進めると少しずつ新しいものが登場してきます。

ギミック自体はオーソドックスなものがいい感じにまとまっています。

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インクはバケツから吸うことができますが、量に限りがあるので無駄遣いは禁物。
幻想的なグラフィックと思考を邪魔しないBGM

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淡く幻想的な世界観を表現したグラフィック。ポリゴン数は抑え目ですが、引きのカメラが多いこともあり、これくらいのほうがむしろ良い塩梅のデフォルメになっていると思います。とにかく雰囲気が良い… モーションも良好で、柔らかく揺れるおさげが最高ですね。

BGMも主張は強くなく思考を邪魔しない雰囲気で、その分ループして聴いていても飽きが来づらい感じに仕上がっています。 タイトル画面(ロビー)、草原、砂漠、凍った大地のBGMが特に好き。

 

凝った難易度別の調整

本作は簡単な順から「EASY」「NORMAL」「HARD」「QV」の4つの難易度があり、難しいほどアクションがシビアになるだけでなく、雰囲気を残しつつもステージの構成そのものがガラリと変わることがあるのが嬉しいです。実績システムにNORMALからQVまでの難易度にすべての妖精を集める項目がありますが、難易度ごとの調整が凝っているので周回プレイをうまく促していると思います。

ただしこの難易度システムには若干の不満もあります(後述)。

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NORMALのとあるステージではこんな感じでも…

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難易度を変更することで大胆に変化するステージもあります

 

親切すぎないリトライシステム

本作はパズル要素がありながらも一手戻しはなく、L+Rの長押しでリトライポイントまですぐに戻れるシステムとなっています。リトライポイントはステージ中にいくつか存在し、取得時点の状態で上書きされていきます。リトライする場合は必ず最新のポイントへ戻ることになります。

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青いひし形がリトライポイント

一手戻りができないということはすなわち自分の操作が正しいかを自分で思考するといった丁寧なプレイングを要求されることになります。

本作はパズルの難易度自体は優しめに調整されているため、自分の頭で試行錯誤してから実際に動かしてみてうまくハマると気持ちいいといったサイクルがうまく作られていると思います。これが一手戻りに対応していたら途端に雑なプレイをするゲームになっていたことでしょう。

 

リトライポイントを取る前にも本当に取っていいのか、実はすでに手詰まりになっていて取らずにリトライしたほうがいいんじゃないか、もう少し他のパズルを進めておいたほうが後々リトライすることになったときに戻りが少なくて済むんじゃないかといった駆け引きが生まれています。そのあたりを判断するのも楽しいです。

 

仲間たちとの楽しい掛け合い

ステージ中では仲間との掛け合いが用意されていて、協力して進んでいる感じが味わえます。

この掛け合いが本当に楽しくて、キュビの楽観的な性格が良い味を生み出しています。

楽観的すぎて仲間にうっとうしがられたりするのも面白い… 特に、初対面のペンギンを崖から突き落とすのには大笑いしてしまいました。どうしてそんなことをするんですか…?

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仲間を探しているペンギン(初対面)に飛んでみればいいと提案して…

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突き落とす! 畜生すぎ。

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見た目がキュビによく似た仲間(名前不明、「影」「ダークキュビ」と呼ばれる)は性格はキュビとは正反対で、結構辛辣なことを言ったりします。

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そしてこの楽観的な返しである。

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短いながらも楽しい掛け合いの中にも、しれっと世界観の説明があったりするので見逃せません。

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こわい
おさげ 

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本作をオススメするにあたって絶対に伝えたいのがこれ。

ああ、おさげ(特に二つ結び)は最高だ・・・・・・・・・オープニングで前からおさげ!後ろからおさげ!斜め後ろからもおさげ! キュビの動きに合わせて柔らかく揺れるおさげもキュート。各エリアの最初のステージにはデモで大きくおさげが映るのもOP(おさげポイント)が高いです。

キュビに似た仲間「影」もおさげなのでダブルおさげです。なんとメインキャラクターの約70%(四捨五入)がおさげ。本作はおさげオブジイヤー2020大賞待ったなしですね。 

 

着せ替え

本作には実績要素があり、特定の実績を解除することでコスチュームが増えていきます。

コスチュームは髪型と服の二つの部位が存在し、これを組み合わせたうえにいくつかのカラーパターンから配色を選ぶといったことが可能になっています。

キュビがかわいいので着せ替えは素直にうれしいです。

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ポニーテールやツインテール等も用意されていますが、一周クリアするまではおさげ一択でした(過激派)。


すきじゃないポイント

一部デモシーンの観直しが不可能

仲間との掛け合いが楽しい本作ですが、オープニングにチュートリアルや特定のステージをクリアした後のデモシーンを後から観直すことができないのがもったいないです。エンディングもとても好みだったのですが、こちらも一度観ると二回目以降のクリアでは再生せれず、観直すとなるとデモを再生する前の状態に戻すしかなく…となるとセーブデータを削除するかニューゲームを選択する必要があり、後述する難易度選択の部分に影響があるのが惜しいのです。

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せめてセーブデータを複数作ることができれば…と思わずにはいられないのでした。
一部ロックされた難易度選択

難易度によってパズルの難しさやアクションのシビアさが変化する凝った調整をしていますが、初期状態で選択できるのはNORMALとHARDのみです。先述の通りデモシーンが一度しか観られないこともあるため、せめて一度解禁したらニューゲームでも好きに難易度を選ばせてほしかったところです。なお、実績の解除状況はニューゲームでもそのまま残るため、一部を除きコスチュームはニューゲームでも引き継がれます。難易度もそうしてほしかったですね…

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EASYとQVは条件を満たすことでアンロック可能ですが、ニューゲームを選択すると再びロックされてしまいます
パズルとして見ると若干詰めが甘いレベルデザイン

本作にはパズル的な謎解き要素が盛り込まれていますが、製作者の意図していないと思われる解法での攻略が可能な個所がそこそこあるため、本当に自分は正規のルートで進んでいるのか、本当はズルしてるんじゃないかと少し気になる場面が出てくるのが調整不足と感じました。

 

また、一方通行の次元の亀裂(ワープが可能な床)の行先は実際に入ってみるまでわからなかったり(入った時点で詰むこともあり)、水辺にインクを撒いたときにどれだけの時間インクが残り続けるかは場所によってまちまちだったりします。ある程度の予測はできたりすぐリトライできるとはいえ、思考したらわかるようなデザインをしてほしかったなあというのが本音です。移動先がわからないことが謎解きの前提になっているステージはそれで良いのですが…

 

ただし、これはあくまで本作をパズルゲームとして見た場合の自分の好みの話であり、公式のジャンル表記はあくまでアクションアドベンチャーであるということは記しておきます。

 

まとめ

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1周クリアに5時間程度。難易度NORMAL・HARD・QVですべての妖精を集めてクリアするまでで18時間程度。クリアするだけならお手軽に遊べるボリュームで、実績解除のために3つの難易度で妖精を集めるとなるとなかなかのボリューム。難易度によってステージ構成が変わるおかげでしっかりと最後まで楽しくプレイできました。

 

かわいいキャラクターやその掛け合いが好き、難しすぎないパズルが好き、幻想的な雰囲気が好きなどなど、少しでも気になったら是非プレイしてみてほしいです。おさげオブジイヤー2020大賞なので、おさげ好きは買わないと損ですね。

 

全体的にかなり丁寧に作られたゲームですが、細かいところでそれなりに不満もありました。それでもやり込み要素をほぼプレイしたくらいなので、個人的には大満足です。まだEASYモードだけはクリアしていないので、着せ替えを楽しみつつこちらもまったり進めてみようと思います。

追加で有料DLCでステージ追加とか出してくれたら絶対に買いますので何卒よろしくお願いします…

あとサントラが欲しいですね。寝る前に聴きたい。

<2021/02/11追記>

Steam版の発売が発表されました。

サントラも発売するようなので楽しみです。

 

 

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